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野菜栽培に肥料はいる?要らない?

野菜栽培に肥料はいる?要らない?

わたしたちの野菜スープの原料はすべて野菜のみです。動物性の魚・お肉・乳製品は一切使用しません。従って野菜の品質がすべてです。 野菜は肥料がないと栽培できないものだとおもっておりました。けれど肥料を使わない無施肥でしかも無農薬で栽培できる栽培方法があると知りました。農学部出身の妻に訊くと…。現代農学の世界では肥料なしに作物ができるという考え方は存在しないとのこと。 ところがです。奇跡のリンゴで有名な木村秋則さん。炭素循環農法など。微生物と糸状菌がチッソ分を野菜に供給するシステムで野菜をつくる人が増え始めました。 一般的には「自然栽培」と言われています。とにかく野菜が美味しい。理由はシンプル。肥料分に含まれるチッソでつくっていないので硝酸イオンの数値が高くないからです。硝酸イオンは苦味・えぐみ成分です。大人から子どもまで野菜嫌いの人が増えている理由も頷けます。硝酸イオンは身体に入ると発がん物質にもなるという研究さえあります。難しい話は別として肥料を使わない「自然栽培野菜」とにかく美味しいのです。日本でたったの0.07%しかとれない微生物がつくった見事な野菜なのです。

自然栽培野菜づくりから始める「野菜スープ」

自然栽培野菜づくりから始める「野菜スープ」

2022年秋、一人の男と出会った。縄文人をおもわせる風貌。日々の農作業を淡々と配信するチャンネル登録1.2万人のユーチューバー「百姓農園」さん。彼は一年365日一日も休まず常に12品目以上の野菜をつくる。それも農薬・化学肥料・除草剤を一切使わずに…。にわかに信じられない。オーガニック栽培でもっとも栽培が難しいとされるキャベツ・ブロッコリーも易々と栽培する。常に10種類以上の野菜を収穫するというツワモノでした。 本人曰く「オーガニック栽培は土づくりばかりに目が行きがち、けれど一番重要なのは管理。そのために技術が必要・・」とのこと。その技術を学びたく月に一度三重県からお越しいただいています。農業は素人の私たちでも少しずつですがオーガニック野菜が収穫できるようになってきました。この冬には無農薬・無肥料で育てたほうれん草でつくった旬のスムージースープはリピーターしていただきました。どの世界にも達人がいる。その達人から直接、野菜作りを指導していただける。製造で使う7割の野菜が百姓農園さんから仕入れさせていただいています。オーガニック認証はとっていないので「有機」という表示はできませんが有機より何倍も厳格な栽培基準でつくった野菜。私たちの野菜スープは野菜の質で決まります。

農家さんからの介護の相談

農家さんからの介護の相談

自然栽培農家の島田さん。オーガニック人参づくりの名人です。ところがです。 高齢のお母様が股関節骨折されてしまったとのこと。無事、手術も成功して家に戻りたいのですが…長い間、ベッドに寝たきりだったこともあり…動けません。 島田さんはお母様の介護があり、春人参種まきができそうにない…とのことでした。5月からは島田さんの人参で野菜スープを作ろうとおもっていたので…当て外れで残念でした。島田さんも畑の作業ができないことで…焦っておられました。 少し気になり、島田さんの畑に伺いました。島田さんは挨拶もそこそこに 「新沼さん。お母様の介護されてますね!?」 と介護のことで質問を受けました。話の内容は省きますが…退院後、介護老人保健施設(ろうけん)という施設をお勧めしました。病院ではすんなりと教えてもらえない内容だったとのこと。それから、一週間後、無事にろうけん施設に入居してリハビリができるとのことでした。 「お蔭様で春人参の種まきができます。」とのメールが届きました。 島田さんは人参づくりができる。わたしはその人参でスープをつくれる。春人参で母にスープをつくれる。「介護と農業」はわたしたちにとっても身近な問題です。少しでも親の顔をみていたい、それも病やケガに苦しむのではなく元気でいてもらいたい。そんな願いを叶えるために、毎日、野菜スープをつくり続けます。

元気のはじまりは土から

元気のはじまりは土から

野菜の栄養素は生きた土に宿る 野菜はすべて同じではありません。その違いが土からはじまると私たちは信じています。健康な土であれば栄養たっぷりの野菜が育ちます。わたしたちが実践している「オーガニック自然栽培」では微生物の多様性が必須となります。その理由は、肥料で育てられた野菜。土が育てた野菜。土の微生物が育てた野菜は病気やムシにも強く、さらに野菜本来備わっている栄養素、ファイトケミカルが豊富に含まれます。 第二次世界大戦後まもなくはじまった工業型農業は、日本人が口にする食物の99.5%を安定生産してくれますが、概して土壌の品質を劣化させます。そしてそれは栄養素にも影響を与えます。近年、野菜の栄養不足が極度に低下していることは誰もが知ることになりました。「元氣の源になるための野菜スープ」をつくるには、土の微生物が育てた野菜でつくることが私たちの願いなのです。

ファイトケミカルたっぷりの野菜の選び方

ファイトケミカルたっぷりの野菜の選び方

「無農薬のお野菜でつくる理由」野菜は動物のように移動できません。紫外線やムシなどの外敵から身を守り続け子孫を残さねばなりません。そうして生き残った野菜こそが生命力のある野菜です。繰り返しになりますが、無農薬で育った野菜は外敵に襲われずに成長できたのですから、生き残った力強い野菜なのです。その力強さの源がファイトケミカルなのです。 そうであるならばオーガニック野菜なら安全!?とおもうのですが、実際はそうでもありません。たとえオーガニック栽培であっても認可された薬剤であれば使用できるため無農薬ではありません。私たちもスープの原料を選ぶ際、オーガニック認定を取得しているか?していないか?よりも実際にどのように栽培しているか?をヒアリングします。流通業者さんから購入するよりも個人の農家さんから野菜を頂くことが多くなりました。ムシに食べられずに大きく育った野菜。野菜スープに使う野菜だけは、そんな力強い野菜を選ぶことをお勧めします。

野菜が苦くなった本当の理由

野菜が苦くなった本当の理由

生きる力をよみがえらせる「命のスープ」。こんな言葉は聞いたことはありませんか。野菜スープはそのひとつなのかも知れません。野菜スープの主人公は野菜。野菜の栽培方法についてわかり易くお話します。 野菜の栽培方法は戦後大きく変化しました。その理由は化学肥料の出現でした。化学的に合成されたチッソ・リン・カリウムで育てることができるようになりました。人間でいうと食事は一切摂らずサプリメントだけで生命を維持するようなイメージです。 土づくりをせずに野菜ができるので農家さんは大喜びでした。けれど、一つだけ問題がありました。できた野菜にはこれまで以上に病気やムシの被害に合うようになりました。やむを得ず薬剤を使うようになりました。知ってかしらずか?化学肥料と農薬はセットで使うのが一般的になりました。自分たち野菜を栽培して初めてわかることがあります。繰り返しになりますが…野菜に肥料をあげると野菜は育つのですが途端にムシに喰われます。そして、驚いたことに有機肥料であっても同じでした。 肥料を施した野菜は残念ながら苦味があります。事実、昨今は子どもだけではなく大人までも野菜嫌いの人が増えています。その苦みの正体は「硝酸イオン」と呼ばれるものです。詳しくは申しませんがこの硝酸イオンの多い野菜はわたしたちのカラダにとってダメージを与えます。EUなどの欧米諸国では一定の基準値以上の野菜は出荷できません。肥料を使い過ぎたメタボの野菜は野菜スープにはお勧めできません。ご自宅で野菜スープをつくるときは、できるだけ肥料を使ってない野菜を選んで頂きたいのです。葉物であれば濃い緑の野菜ではなく、できるだけ黄緑色に近い色のものを選びます。 野菜スープに使う野菜だけは肥料を施したものではなく、土の微生物につくってもらった野菜でつくりたい…と願うばかりです。