Go Go Genmaiのスープ製造。4つの基準「食べてホッとする」を目指します。 

Go Go Genmaiのスープ製造。4つの基準「食べてホッとする」を目指します。 

わたしたちがつくる野菜スープはご馳走スープではありません。「食べて体も心もホッとする」を目指します。創業から14年を経てたどり着いたGo Go Genmaiのスープは玄米と野菜だけでつくります。はじめてスムージースープ召し上がった方からは、どんなだし素材を使っているのですか?本当に乳製品やお肉は使ってないの?とご感想をいただいます。わたし自身も野菜だけでおいしいスープができるとはおもっていませんでした。けれど、植物性素材だけでおいしさを追求する京都の精進料理を頂いたとき、野菜たちに叱られたような気がしました。その時においしさを再現したのがスムージースープです。

 1、ご馳走スープにしないこと

旅がいまのように快適でなかった時代、過酷な旅をして宿にたどりついた旅人に生き返るような思いをさせてくれた食べ物は?西洋の旅行記や小説を読むとスープであったことがわかります。一杯のスープが疲れを癒して元気を取り戻させる食べ物であることは動かない常識だったようです。映画のワンシーンでも疲れ果てた旅人がむさぼるようにスープを食べるシーンが思い浮かびます。カラダが弱っていても胃腸に負担をかけず、必要な栄養成分が摂れるどこかホッとする食べ物を目指します。なのでわたしたちは、お肉・お魚・バターや牛乳などの乳製品も使いません。野菜だけでも十分おいしい食べ物をつくります。マクロビオティックやビーガンのような主義主張はないのですが、気がつけばそんなスープになっていました。

 

 2、余計なものを入れない。

食品製造と食品添加物は切り離せません。食品を保存するためには様々な添加物が必要になります。つくりたては、なんとか食べられても、保存するとなると話が変わります。保存方法として有名なのがレトルトです。当初、わたしたちも試みたのですが…繊細な味の野菜スープですと味を維持することは到底できないと実感しました。きっと、レトルトはお肉や香辛料で味がしっかりしたものに向いているのかも知れません。そこでたどりついた保存方法は急速冷凍です。できたスープを袋詰めした後、すぐに₋30℃のアルコール液の中に入れることで約20分の速さで凍結します。この機械はわたしたちにとっては高価な機械でした。その会社に何度も通い、頼み込んで購入できたのが中古のアルコール凍結機でした。余計なものを入れない使わないこと。余計なものを入れずに製造するためには、この機械は不可欠なのです。

 

3、生産者のことを知る

無農薬・オーガニックというコトバを使ってPRしているけれど、実際にやってみると大変な作業なんです。例えばお米。除草剤を使わないで草を抑えるには
近所の方に手伝ってもらい除草作業をします。そんな大変な手間をかけて収穫されたお米なのですから適正な価格で頂きます。適正な価格でなければ続けることができないのです。草取りひとつとっても、除草剤を使うのと手作業で草取りするのとで何十倍ものコストがかかります。初夏の熱い時期にお手伝いしてくれる人が存在します。お話を伺っているときにもお手伝いの方から明日の作業はあるか?の確認の電話が入っていました。こうした人間関係がなければオーガニックでお米をつくることはできない気がします。そんなエピソードを現地で直接お聞きすることが、わたしたちは重要だと感じています。

4、肥料は使わない方がいい。その結果、農薬を使わなくなる。

肥料は使わない方がいい。その結果農薬を使う必要がなくなってくるから。そのような野菜が私たちの理想です。自分たちで畑をやってみてわかったことですが肥料を野菜にあげればあげるほどムシさんたちは寄ってきます。たとえそれが有機肥料であっても。専門家ではないのではっきりしたことはわからないけれど、ムシたちは窒素過多の野菜に群がるようにおもいます。人間でいえばただ、体重や身長が大きくなるようなカロリーの高い食事をしているようなもの。決して健康とはいけない。人間の肥満は見た目でわかるけれど野菜の肥満は見分けがつかない。とはいえ肥料をあげないで野菜はどうやって育てるのだろう?そんな疑問が残ります。簡単にいってしまうと微生物が肥料成分をつくりだします。そうなれば微生物がたべるエサをたっぷりあげる必要があります。同じ考え方で野菜をつくっている心強い仲間がいます。わたしたちにとって、有機栽培の野菜より、微生物を増やしている農家さんの野菜を信頼しています。たとえムシがでても、微生物は肥料や農薬を入れるとグッと少なくなります。少なくなれば野菜ができません。以上の理由から、弱った野菜にムシがでても農薬や肥料を使う選択は考えられないのです。

農的につくるスープ製造所

結論からいうと生産者さんの玄米や野菜がなければスープはできません。そのために自分たちでも野菜を育てることにしました。規模は小さいなのでプロ農家さんと比べることはできませんが、自分たちで野菜を育てるとこれまで見えなかったことがみえるようになりました。畑の微生物を雨から守るために溝を掘ったり、もみ殻を畑に入れたりする。水たまりができないないように雨水の抜け道を考えること。ほとんどの時間を微生物を活かすことに費やしています。農薬や肥料も微生物たちが減ってしまうので使いません。例え野菜にムシや病気に襲われても使いません。目先の野菜をつくるために、これまで何年もかけて土づくりしてきた畑を壊したくありません。わたしたちが農に近づくことで、ほんの少しですが野菜の良しあしもわかるようになってきました。