玄米は栄養の宝庫!時短・健康管理にもなるシンプル生活のススメ

玄米は栄養の宝庫!時短・健康管理にもなるシンプル生活のススメ

玄米は栄養の宝庫!時短・健康管理にもなるシンプル生活のススメ
玄米は土にまけば芽がでる、いのちが詰まったお米!?

  

玄米は栄養の宝庫!
時短、健康管理にもなるシンプル生活のススメ

今では健康や美容意識が高い方に人気の“玄米食”。既に日々の暮らしのなかに取り入れている方もいることでしょう。でも、「どうして身体に良いの?
「白米とどう違うの?」と、聞かれると、よくわからない人も多いのでは?
そこで、今回は玄米と白米の違いをはじめ、玄米のよさについてご紹介します。

玄米は土にまけば芽がでる、いのちが詰まったお米!?

玄米は、精白されていないお米です。収穫したばかりのお米にはもみ殻がついていますが、玄米は、そのもみ殻だけを取り除いたものです。ぬか層や胚芽が残っているため、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富。しかも玄米は土にまけば芽がでます。一方で、私たち日本人が食べることが多い白米は、玄米を精白したもの。ぬか層や胚芽も取り除いているため、白米から芽がでることはありません。そのため、白米に比べて栄養豊富な玄米は“いのちが詰まったお米”ともいわれることもあります。

玄米栄養素のチャート

昔は玄米が主流だった!?食べなくなった結果、まねいたものとは?

白米が一般的になった現代において、玄米に馴染みがない日本人は多いかもしれません。しかし、ひと昔前の江戸の人々は、主に玄米を食していたのです。その後、徐々に武家や上流階級の間から白米を食べる習慣が広がっていきます。その結果、手足のしびれや歩くなることが難しくなる「脚気」という病気が増えたそうです。主な原因は、栄養不足。当時の食事は、一汁一菜という質素なものでしたが、白米とわずかなおかずでは主に「ビタミンB1」が欠乏し、病気になっていたと考えられています。昔は、玄米でからだに必要な栄養素を補っていたのです(※1)。

玄米と白米の栄養価の違いって?

では、実際には玄米と白米にはどのような栄養素が含まれ、どれくらい異なるのでしょうか。ここで玄米の栄養素量を100として白米と比較してみました。

【出典】文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(訂)」より作成(※2)

玄米は、白米とほぼカロリーが同じであるにも関わらず、多くのビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでいることがわかるでしょう。とくにビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足がちとされる現代です。栄養豊富な玄米が健康的なからだづくりの心強い味方になってくれることが期待できます。

 

健康づくりに嬉しい!玄米に多く含まれる栄養素について

ここで、玄米に多く含まれる主な栄養素の働きについてみていきましょう。

  •  ビタミンB1

 糖質がエネルギーに変わるのを助ける働きがあります

  •  ビタミンE

 ビタミン E は抗酸化作用を持つビタミンのひとつで、体内 で増えた活性酸素
 から細胞膜を守る働きをしてくれます(4)。

  •  カリウム

 体内の余分な塩分(ナトリウム)を尿中へと排池を促す働きがあります(※5)

  • 鉄分

 赤血球に含まれるヘモグロビンの材料です。不足すると貧血になることで知られています(6)。

  • マグネシウム

カルシウムとともに骨の形成に関わる栄養素です。体内のさまざまな代謝を助ける働きを持っています(7)。

  • 食物繊維

糖や脂質のからだへの吸収を抑えたり、腸内環境を整える働きが期待されたりします。特に不溶性食物繊維が豊富です(8)。そのほか、玄米にはコレステロールの吸収を抑えるとされている「γ-オリザノール」や脳内で神経伝達物質として働く「GABA(γ-アミノ酪酸)」も含まれているのも嬉しいポイントです(9,10)。
      

玄米を食べるとどんないいことがある!?
4つの健康効果をご紹介

続いて玄米には、次のような嬉しい効果も期待できます。

  • 食事の栄養価UP

前述したように玄米には、生命に必要な栄養素がぎゅっと含まれています。日々のごはんを玄米に変えることで不足しがちな栄養素が補いやすいよさがあります。

  • 低 GI 値食品

GI値とは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇スピードをはかったものです。GI 値が低いほど血糖値の上昇がゆるやかとされ、GI値が88の白米よりも玄米のGI 値は55と低いのが特徴。血糖値の上昇がゆるやかで、脂肪がつきにくいとされています(11)。

  • 嚙む回数UP

物繊維が多く含まれた玄米を食べると、自然に噛む回数が増やしやすくなります。噛むことで脳の満腹中枢を刺激し、食べ過ぎ防止にもおすすめです!(※12)よく噛むことで、カロリー消費もUP。食事をするとからだが温かくなることはありませんか?これは食事を摂るとことによって、体内に吸収された栄養素が分解され、一部が体熱となって消費されるために起こります。む回数を増やしやすい玄米はカロリー消費にも役立つのです(※13)。

日々の食事では「ケの日」を中心に!
玄米を取り入れたシンプル生活のススメ!

日々の食事スタイルは、栄養豊富な玄米を中心にすることで、おかず1品、具だくさんのおみそ汁の「一汁一菜」で基本、十分です。とはいえ、毎日、玄米というと飽きてしまうもの。そこでおすすめが、「ハレの日」、「ケの日」の使い分けです。

<ハレの日、ケの日とは?>

  • ハレ:季節の行事や結婚式など特別な日(非日常)
  • ケ:普通の日(日常)

日常では、玄米中心の「ケの食事」を中心にして、「ハレの食事」をときどき楽しむ生活です。日々の食事をシンプルにすることで、食事の準備が楽に!また、調味料や塩分の摂り過ぎも防ぐことができ、健康管理にもうってつけです。ときには玄米と白米を混ぜたごはんにするのもよいでしょう。季節の食材をおかずに取り入れながら楽しんでみてください。

玄米を食べたいと思うけれど農薬が心配!

これまで玄米のよさに触れてきました。そこで、玄米のよさはわかったけれど、農薬はどうなの?と思われた方もいるのではないでしょうか。もちろん、精白している白米よりも農薬が付着している可能性がありますが、健康被害が出るほどの残留農薬があるものは日本では流通していません。とはいえ、農薬を使ったものを食べたくないという場合は「農薬:栽培期間中不使用」表示された玄米を購入されるとよいでしょう。こちらであれば風で飛ばされてきたり、流れてきたりした水から農薬がつく可能性はありますが、生産者が農薬を使用せずに栽培しています。それでも心配であれば生産者へ収穫後の残留農薬検査の結果を確認されるのがおすすめです(※14,15)。

玄米は消化が悪いことも忘れずに

また、玄米は、食物繊維が多く、噛む回数を増やしやすい食材である反面、消化がしにくい欠点があります。胃腸の負担を軽減するためにも、口の中で玄米の形状が感じられなくなるまで味わって食べるようにしましょう。

生命力あふれる玄米を取り入れて健やかな生活を

いかがでしたか?玄米にはからだが喜ぶ栄養素が豊富に含まれているだけでなく、噛む回数を増やしやすくしてくれる食材でもあります。ぜひ、この機会にご自身の体調に合わせて玄米を取り入れてみてくださいね。きっと、健康的な生活を内側からサポートしてくれるはずです。

【参考文献】
1)脚気 -農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/meiji150/eiyo/01.html
・※2)文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
・※3) ビタミン(水溶性ビタミン)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
・※4)抗酸化ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
・※5) カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・※6) 鉄 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html
・※7) マグネシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-034.html
・※8)腸内環境と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
・※9) 玄米を食べるとなぜ肥満解消? メカニズムを解明
https://dm-net.co.jp/calendar/2012/018607.php
・※10)北海道医療大学 - GABA (γ-アミノ酪酸)
http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wadakg/keyword/gaba.html
・※11)減塩低カロリープロジェクト’16
https://k-enshu.ja-shizuoka.or.jp/jacms/wp-content/uploads/2016/12/5d5ae70921d65ba51201c877e62ea0a8.pdf
・※12) 噛むこととメタボの意外な関係 – 噛むこと研究室
https://kamukoto.jp/beauty/644
・※13)食事誘発性熱産生| DIT - e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html
・※14)残留農薬-厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/zanryu/faq.html
・※15) 特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&Ahttps://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_qa.pdf
(2021/11/3参照)